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田中一彦教授のインタビュー(Pico)(Japanese)

今月は、コミュニケーション委員会委員長および副委員長より、第1回国際TDM会議(大阪、1988年)の会長を務められた田中一彦教授のインタビューをお届けします。今回のブログは、京都で開催される第15回国際TDM&CT会議に向けて英語と日本語の両方でお届けする2回目のブログになります。

 

田中一彦教授
大阪薬科大学名誉教授
白鷺病院腎センター顧問

 

田中先生は、1988年に大阪で開かれた当学会の設立会議である第1回国際TDM会議(2015年12月刊行のCOMPASS Vol 14(4)参照)の会長を務められました。今回は会場を京都に移して再び日本で開催される第15回国際TDM&CT会議で、田中先生にお目にかかれることを楽しみにしています。

まず初めに申し上げておくべきかと思いますが、私はすでに引退をしております。これからお話しすることは、いわゆる「年寄りの戯言」と思ってお聞き下さい。

我々は1988年大阪にて第1回国際TDM会議を開催しましたが、海外でのTDMの現状を知り、その知識を吸収したいためでした。再び29年振りに日本の京都で行われる第15回国際TDM&CT会議は、種々の面で隔世の感があります。できる限り参加者の方々と交流できることを楽しみにしています。特に29年前の第1回国際TDM会議に参加されたメンバーにお会いできることを楽しみにしています。

日本におけるTDM&CTの33年の歴史を振り返ってみて、この分野で達成された最も重要な成果を3つ挙げるとすれば、それは何ですか?

第1回日本TDM研究会は33年前の1984年5月13日大阪に国立循環器病センター講堂にて開催されました。当時は、臨床レベルにおいて、薬物血中濃度が測定出来ること自体が発表の中心であり、また、測定方法の違いでの測定値の比較検討もよく行われていました。思うに、基礎的な研究が臨床応用され始めてきた時代でした。その後の33年間の進歩は、基礎から臨床まで、全ての面で目を見張るものがあります。

田中先生は、TDM&CTの将来についてどう思われますか?また、日本および世界レベルで発展させるべき最も重要な方向性を3つ挙げるとすれば、それは何ですか?

私自身はTDMを知ったとき以来、最終的にはTDMをしなくても医薬品の適正使用が出来る環境に持っていければ、と思っています(夢物語ですが)。私が思うには、TDM&CTをさらに発展させるためには、我々が従事する日頃の業務・医療行為また研究をコツコツと積み重ねていくことが大切だと思います。また、日頃の積み重ねの成果をまとめ、国際学会で発表または論文で発表し、国際TDM&CT会員を中心とした仲間と意見を交わし、切磋琢磨してTDM&CTをさらに発展させていって頂きたい。一歩一歩努力することが、発展に繋がると思います。

今回の学会には、日本TDM学会の仲間の学会員の方が数多く参加されます。日本TDM学会の会員にとって、国際TDM&CT学会の会員になる一番のメリットは何だと思いますか?

TDM&CTに携わる多くの海外の仲間と知り合うことが出来ることが一番のメリットです。また、世界のTDM&CT領域の最新の知識と動向が得られ、自分達の成果と照らし合わせ直接討論できることです。

田中先生の経験したTDM&CT分野における進歩を踏まえて、国際TDM&CT学会のメンバー、またはメンバーになろうと考えている人達に伝えたいメッセージはありますか?

国際TDM&CT学会の発展は、今後の若いメンバーの活躍にかかっています。メンバーが今関わっている仕事を大切にコツコツとこなしていき、世界中の仲間と情報交換し、大いに頑張っていただきたい。

 

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Kazuhiko Tanaka